9.行政書士と社会保険労務士の難易度比較

行政書士と社会保険労務士(社労士)の難易度比較を行う前に、社労士についての知識を整理しておきたいと思います。
社労士が主に作成するのは、資格名の通り、社会保険に関する書類です。そして、その主な提出先は、労働基準監督署、公共職業安定所、そして年金事務所などとなっています。法律系資格である点、そして書類作成を主な業務としている点は、行政書士や司法書士と同じですが、作成する書類の性質や提出先が、それらの資格とは異なっています。

つづいて合格率の観点から、行政書士と社労士の難易度について見ていきたいと思います。
行政書士の合格率は、何度も見てきている通り、6~8%。対して、社労士の合格率は7~9%となっています。合格率の点では、行政書士試験と社労士試験の難易度に大きな差はないと言えるでしょう。ただし、両試験ともに合格率は低下傾向にある、つまり難易度は難化傾向にあるので、これから受験を目指そうと考えている人は、今まで以上にしっかりとした対策が求められそうです。
また、社労士には、学歴や実務経験などに関する受験資格があるので、やはりこれから受験を目指す人は注意してください。なお、行政書士試験の受験資格は、平成12年度の試験から撤廃されましたので、今は誰でも受験することができます。

試験内容については、これまた繰り返しになりますが、行政書士試験では、行政法を中心に法律一般から幅広く出題されます。一方の社労士試験では、労働や社会保険に特化した法律知識が問われます。このあたりの関係性は、行政書士と司法書士よりも、行政書士と宅建の関係性に似ています。
大雑把なくくりとなりますが、浅く広く学ぶことが得意なら行政書士試験、狭く深く学ぶことが得意なら社労士試験に適性がある、という言い方もできるかもしれません。

行政書士と社労士は、業務上の親和性が高い資格同士だと言われていて、実際に両方の資格を保有している実務家も少なくありません。いずれの試験も、難易度は決して低くありませんが、将来を見越して、ダブルライセンスに挑戦してみても良いと思います。