6.行政書士、「成功」の難易度は?

約50~70万円という初期投資額だけを見ると、行政書士の「独立開業」の難易度は、それほど高いわけではなさそうです。では、単に開業するだけでなく、その後も継続して仕事をしていくことのできる可能性、言うなれば「成功」の難易度はどうでしょうか。

行政書士会の決算報告によると、会員数は約4万人。毎年、新規登録者は約2千人いますが、会員数は1千人ペースでしか増えていません。行政書士会への加入が、行政書士業務を行う上での必須条件であることを考えると、毎年少なからぬ人数の行政書士が脱会、すなわち廃業しているものと考えられます。行政書士は、成功の難易度はおろか、生存の難易度さえ、シビアな世界だと言えるかもしれません。

「行政書士は、食えない資格の代表格」などと言われることがあります。その一方で、「行政書士は、将来性のある資格」「業務分野が広く、稼げる資格」といった声を聞くことも多いかと思います。これは、どんな資格、あるいはどんな職業にも言えることですが、「食えない」人もいれば、「稼いでいる」人もいる。それは、行政書士もまったく同じです。
資格とは、黙っていてもお客さんの方から寄ってきてくれる、ありがたい印籠でもなければ、多額の報酬を確約してくれる約束手形でもありません。営業の側面に限って言うならば、資格とは、商売の土俵に立つことを認める許可証にしか過ぎません。

では、行政書士として成功するために必要なものとは何なのでしょうか?
さきほどと矛盾するようですが、それは、行政書士の資格です。行政書士の資格を保有するということは、難易度の高い試験に見事合格した証明、そしてその資格にふさわしい知識・技能・品位等を有することの証明に他なりません。もちろん、行政書士として成功するためには、営業力、人脈、運といった要素も必要でしょうが、もっとも大切なのは、過酷な受験勉強を通じて培った知力・体力・精神力だと思います。

そうした意味でも、これから行政書士試験に挑戦する受験生には、基礎を決しておろそかにすることなく、また「法律について学びたい」と思った初心を大切にして、長きにわたる受験勉強に邁進してもらいたいと思っています。