4.行政書士、「就職」の難易度は?

昨今の経済情勢に鑑みると、いずれの業界も同じかもしれませんが、行政書士の「就職」の難易度も負けず劣らず、たいへん厳しいものがあります。行政書士の有資格者の就職先としては、行政書士事務所への就職・転職がまっさきに考えられると思いますが、その肝心の行政書士事務所の求人自体が非常に少ない現実がまずはあります。インターネットで求人を検索しても、東京や大阪などの大都市圏でちらほら見つかるくらい。地方都市に至っては、行政書士の求人数がゼロのケースだって決して珍しくありません。

また、たとえ運よく求人を見つけることができたとしても、その先にも茨の道が待っていることを覚悟しなくてはなりません。行政書士補助者1名の求人に対して、20~30名の応募があることも少なくないと聞きます。そうすると、採用確率は5%未満。行政書士試験の合格率が6~8%ですから、場合によっては、就職・転職にあたっての採用試験の方が、行政書士試験に合格するよりも難易度が高いなどという、一種の逆転現象さえ起きてしまっているようです。

ただし、行政書士の就職・転職先は、何も行政書士事務所ばかりではありません。目線を少し変えてみると、時にまったく異なる状況が見えてくることがあります。たとえば、行政書士事務所以外の就職・転職先として、一般の企業というのも考えられるでしょう。昨今、法律知識を有する人間に対する需要は確実に高まっています。ニュースなどでも時折報道されている通り、今やコンプライアンスは、企業の存続に直結する重要な問題であるわけですから、法律に明るい人間が必要とされるのは、当然と言えば当然なのかもしれません。もちろん、「せっかく難易度の高い行政書士試験に苦労して合格したのだから、資格を活かして働きたい」という気持ちもあるとは思いますが、一般企業の中で、持てる法律知識を存分に活かすという道も、一方であっても良いのではないでしょうか。

また、行政書士資格を活かして、受験指導校に就職・転職するという手もあります。これは、決して広く門戸が開放されている道とは言いがたいのですが、そうした未来も想像しながら、受験勉強中から、良い講師陣をそろえた学校や通信講座を探してみてもおもしろいかもしれません。