10.難易度よりも重要なこと

ここまで、宅建、司法書士、社労士など、行政書士と比較されることの多い資格試験の難易度を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
いずれの試験合格者も、一定以上の法律知識を持つ者として国から認められ、業として書類作成などを行うことができるようになるわけですから、責任は重大です。そして、その責任の重さを考えると、各資格試験の難易度も高くて当然だと言えるでしょう。受験生の皆さんがこれから踏破しようとしている山とは、それほどまでに高く、そして登りがいのある山なのです。

復習になりますが、行政書士試験の合格率は6~8%、宅建は約16%、司法書士は約3%、社労士は7~9%でした。合格率は、試験の難易度を測る上で、かっこうの“ものさし”となりますが、その一方で、「合格率は低いようだけど、この資格試験なら、何だかできそうな気がする」といった感想を抱いた人もいるのではないでしょうか。それはおそらく、試験内容と、あなたが持っている知識、あるいは興味・関心が合致していたためと思われます。そうした相性の良さは、過酷な受験勉強を乗り切るための力強いエンジンにもなってくれるはずです。

資格を取得して手に職をつけたいと考えている人の中には、挑戦する資格が、まだ明確でない人もいるかもしれません。そうした人たちにとって、試験の難易度は、資格を選ぶ際の重要な判断基準となることでしょう。しかし、難易度だけで、資格を選ぶことはおすすめできません。たとえば「合格率約16%の宅建なら合格できそうだ」と判断し、宅建資格に挑戦。結果、見事合格できたとしても、本人に不動産に対する興味・関心があまりないなら、その資格を仕事で存分に活かすことはできないでしょうし、結局、苦しかった受験勉強も無駄になってしまいかねません。

資格試験に挑戦する際には、いたずらに難易度を気にするよりも、自身の興味・関心、そして何より意欲を大切にしてください。興味・関心・意欲の持てる分野であれば、自ずと学習もはかどりますし、そうして身につけた知識こそが、結局のところ、試験の難易度を下げる特効薬になるわけですから。

行政書士の特徴として、その業務範囲の広さを挙げることができます。その意味では、受験生にとって、興味・関心のある分野を見つけやすい資格と言えるかもしれません。「試験に合格する」という漠然とした目標ではなく、「行政書士として、○○分野のスペシャリストになる」という明確な目的を持つことができれば、合格、そして合格後の活躍もだいぶ現実味を帯びてくるのではないでしょうか。